先日、あるラジオ番組に出演し、当社ネットパートナーの働き方についてお話しする機会をいただきました。

ありがたいことに、私たちの「ライフスタイル・ファースト」という思想に共感を寄せてくださる声も多く、改めてその理念を言語化し、社長ブログとして記しておきたいと思います。

働き方の根本を問い直す

当社では創業当初より「全スタッフ・フルリモート」を掲げ、物理的なオフィスを持たない経営を行ってきました。社員も業務委託も、全員がそれぞれの自宅や自分にとって心地よい場所で働いています。私自身も例外ではありません。

このスタイルの原点は、12年前、家族の事情で“会社に通う”という行為に疑問を持ったことに始まります。私にとっては、ライフステージの変化が「なぜ働くのか」「どこで働くのか」を再定義する契機となったのです。

ライフワーク・バランスから、ライフスタイル・ファーストへ

よく耳にする「ライフワーク・バランス」は、“仕事と生活の均衡”という枠組みですが、私たちの発想は少し違います。

人生(ライフ)を起点にし、その人にとって自然な働き方を「内側から」設計していく。つまり、バランスを取るのではなく、人生の一部として仕事をどう位置づけるかを問う。これが「ライフスタイル・ファースト」の思想です。

たとえば、こんな働き方が実際にあります:

  • 小さなお子さんがいる方が、昼間は育児に集中し、夜に仕事をする
  • 親の介護を優先しつつ、自分のペースで業務を遂行する
  • 社交ダンスの講師を本業とし、その合間に当社のプロジェクトに関わる

その人の“生き方”が先にあり、仕事がそれに寄り添う。この順序こそが、本来の人間的な働き方ではないでしょうか。

管理しないマネジメント

当社の業務はプロジェクト単位で動いており、原則としてスタッフは自分の都合のよい時間帯に仕事をしています。全員が同じ時間に出社し、同じ場所で顔を合わせるということはありません。

では、どうやって成果を担保するのか?

答えは「信頼」と「自律」にあります。キックオフミーティングで目的と役割を共有し、あとは各自が納期に向けて最適な形で動く。それだけです。

これにより、従来のような“監視”や“統制”によらずとも、自然発火的に動き、成果を上げてくれる人材が育ってきています。

“訳あり人材”の集合知こそ未来を創る

このスタイルには、「普通の会社に適応できなかった」方々が多く集まっています。けれど、私はそれを弱みだとは思っていません。

多様な人生背景を持つ人たちが、それぞれの事情を持ちながら、自分に合ったスタイルで働ける。それが、実は最も生産的で、創造的で、人間的な組織を生むのだと感じています。

このような話をするたびに、「そんな会社があるんですね」と驚かれますが、私はむしろ、これからの社会では“普通”になると確信しています。

人間の尊厳に根ざした働き方を、これからも問い続け、進化させていきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。